ワンダと巨像
- 作者
- 上田文人
- 発表
- 2005年
- 国
- 日本
- 媒体
- ゲーム
禁じられた地に少女の亡骸を運び込んだ青年ワンダが、彼女の魂を取り戻すため、荒野に立つ16体の巨像を倒していくアクションアドベンチャー。倒すことの痛みを問い、ゲームは芸術かの議論の中心となった。
2005年に発売された。雑魚敵も町も住人もなく、広大な荒野と16体の巨像だけで構成される世界は、引き算の設計の極致であり、巨像を一体倒すごとに主人公の身体が蝕まれていく演出が、勝利を達成ではなく喪失として体験させる。蘇りという願いの代償を、操作する側の手に感じさせるこの構造は、ゲームというメディア固有の物語の方法として国際的に高く評価され、後の作り手に深い影響を与えた。
この作品が使っている物語の型
- 死に戻り死をきっかけに過去のある時点へ戻り、同じ時間をやり直すプロット型。やり直しが万能になると緊張が消え、前回の記憶の扱いが曖昧だと後半で破綻するため、戻る条件と引き継ぐものを先に確定させておく。
- 禁じられたもの掟や法、身分、道徳によって手を出すことを禁じられた対象に惹かれていく人物を描くテーマ。禁止の正当性を丁寧に描くほど、それを踏み越える重みが増す。
- 人間と人ならざるもの妖・精霊・付喪神など、人ではない存在と人間との間に結ばれる関係性。種としての違いを都合よく消さず、異質さを保ったまま心を通わせられるかが書きどころになる。