ソラリス
Solaris
- 作者
- スタニスワフ・レム
- 発表
- 1961年
- 国
- ポーランド
- 媒体
- 小説
思考する海に覆われた惑星ソラリスの観測基地で、心理学者ケルヴィンが自死した妻ハリーと再会する。海が人の記憶から作り出す訪問者を通じ、人間には理解できない知性との接触を描いた思弁SFの最高峰。
1961年に刊行された。異星の知性との接触を、対話でも戦争でもなく、理解の不可能性そのものとして描いた点が決定的に新しく、人間は宇宙に鏡だけを求めているという作中の診断は、ファーストコンタクトものの前提を根底から批判するものだった。記憶から複製された死者と、複製と知りながら愛し直せるのかという問いが物語の情動の核であり、二度の映画化を経て、SFが到達した最も深い場所の一つとされる。
この作品が使っている物語の型
- 人間と人ならざるもの妖・精霊・付喪神など、人ではない存在と人間との間に結ばれる関係性。種としての違いを都合よく消さず、異質さを保ったまま心を通わせられるかが書きどころになる。
- 記憶覚えていること・忘れること・思い出し方そのものを主題にするテーマ。記憶の欠落や改変を扱う場合、何が「真実」かを最後にどう定めるかが設計の核になる。
- 死に戻り死をきっかけに過去のある時点へ戻り、同じ時間をやり直すプロット型。やり直しが万能になると緊張が消え、前回の記憶の扱いが曖昧だと後半で破綻するため、戻る条件と引き継ぐものを先に確定させておく。