ファウスト
Faust
- 作者
- ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
- 発表
- 1808–1832年
- 国
- ドイツ
- 媒体
- 小説
あらゆる学問を究めて絶望した老学者ファウストが、悪魔メフィストフェレスと魂を賭けた契約を結び、若返って愛と権力と美を遍歴する詩劇。第一部1808年、第二部は作者の死の直後1832年に刊行された。
構想から完成まで約60年を要し、第一部は1808年、第二部は1832年に世に出た。満足したらその瞬間に魂を渡すという契約の設定は、永遠に満たされない人間の希求そのものを賭けの対象にした発明であり、悪魔との契約という型の文学的な完成形となった。グレートヒェンの悲劇で閉じる第一部と、神話的スケールで救済に至る第二部の落差も含め、近代人の欲望と贖いを描く物語の源泉として参照され続けている。
この作品が使っている物語の型
- 禁じられたもの掟や法、身分、道徳によって手を出すことを禁じられた対象に惹かれていく人物を描くテーマ。禁止の正当性を丁寧に描くほど、それを踏み越える重みが増す。
- 二度目の人生一度は人生を終えたかのような大きな挫折や喪失を経て、まったく別の場所や生き方で再出発することになるプロット型。前の人生の痕跡がどこまで残るかが焦点になる。
- 償い過去に誰かを傷つけた人物が、その埋め合わせのために行動するテーマ。許しを得ることをゴールにせず、償う行為そのものに意味を持たせられるかが鍵になる。