ローマの休日
Roman Holiday
- 作者
- ウィリアム・ワイラー
- 発表
- 1953年
- 国
- アメリカ
- 媒体
- 映画
公務に縛られた某国の王女アンが、ローマ滞在中に宮殿を抜け出し、新聞記者ジョーと身分を隠したまま一日だけの自由を過ごすロマンティック・コメディ。オードリー・ヘプバーンを一躍スターにした永遠の名作。
1953年に公開された。互いに正体と目的を偽った二人が、偽りの間だけ本当の自分でいられるという逆説が物語の核で、スクープを捨てる記者と公務へ戻る王女という、恋の成就を選ばない結末が本作を単なる娯楽以上のものにした。ジェラートの階段、真実の口といったローマの実景での撮影は観光映画の原型ともなり、王女と庶民の一日という設定は、身分違いの恋の最も愛される型として無数に反復されている。
この作品が使っている物語の型
- 正体の秘密登場人物が自分の本当の姿・出自・過去を隠して生きているテーマ。読者にだけ明かすか、最後まで隠すかで、サスペンスの種類が変わる。
- 身分違い立場・階級・世界の違う二者が惹かれ合うテーマ。障害が外側(周囲の反対)にあるか内側(本人の引け目)にあるかで、物語の温度が大きく変わる。
- 手放す勇気大切なものや人を、自分のもとに留めておくのではなく手放すことを選ぶ勇気を描くテーマ。手放すことが敗北ではなく愛情の一形態として描かれる。