モンテ・クリスト伯
Le Comte de Monte-Cristo
- 作者
- アレクサンドル・デュマ
- 発表
- 1844–1846年
- 国
- フランス
- 媒体
- 小説
婚礼の日に無実の罪で投獄された船乗りエドモン・ダンテスが、脱獄と巨万の富を経て別人として社会に戻り、自分を陥れた者たちへの復讐を進めていく長編。復讐譚の型を完成させた新聞連載小説の代表作。
1844年から1846年にかけて新聞に連載された。投獄・脱出・変身・復讐という段階を長大な時間の中で展開し、周到な計画が次々に実を結ぶ構成は、連載形式の牽引力と結びついている。復讐の遂行とともに、その正当性への疑いが差し込まれる後半の展開は、単純な報復譚を超える奥行きを与えた。別人となって帰還する主人公という設定は、以後の大衆小説・漫画・映像作品で繰り返し変奏される基本型となった。
この作品が使っている物語の型
- 復讐受けた害への報いを求めて動く人物を描くテーマ。復讐そのものより、それを遂げた後(あるいは遂げられなかった後)に残るものを描くかどうかで作品の深さが決まる。
- 裏切り信頼していた相手に裏切られる、あるいは自分が裏切る側に回るテーマ。裏切りの動機に必然性を持たせられるかどうかが、物語の説得力を左右する。
- 正体の秘密登場人物が自分の本当の姿・出自・過去を隠して生きているテーマ。読者にだけ明かすか、最後まで隠すかで、サスペンスの種類が変わる。
- 二度目の人生一度は人生を終えたかのような大きな挫折や喪失を経て、まったく別の場所や生き方で再出発することになるプロット型。前の人生の痕跡がどこまで残るかが焦点になる。