オペラ座の怪人
Le Fantôme de l'Opéra
- 作者
- ガストン・ルルー
- 発表
- 1910年
- 国
- フランス
- 媒体
- 小説
パリのオペラ座の地下に潜む醜い天才音楽家エリックが、歌姫クリスティーヌに音楽の天使として近づき、執着を深めていく怪奇恋愛小説。劇場の伝説を下敷きにした物語は、舞台ミュージカルで世界的に定着した。
1909年から連載され、1910年に刊行された。シャンデリアの落下事故や地下の湖といったオペラ座の実際の逸話と構造を素材に、実録風の語りで怪人の実在を演出する方法を採る。醜さゆえに愛を諦めてきた男が、初めての涙とともに愛する人を手放す結末は、怪物の物語を悲恋の物語へ反転させるものであり、この造形が後年の舞台化・映画化で世界的な共感を得た。仮面の下の孤独という主題の代表作である。
この作品が使っている物語の型
- 正体の秘密登場人物が自分の本当の姿・出自・過去を隠して生きているテーマ。読者にだけ明かすか、最後まで隠すかで、サスペンスの種類が変わる。
- 身分違い立場・階級・世界の違う二者が惹かれ合うテーマ。障害が外側(周囲の反対)にあるか内側(本人の引け目)にあるかで、物語の温度が大きく変わる。
- 手放す勇気大切なものや人を、自分のもとに留めておくのではなく手放すことを選ぶ勇気を描くテーマ。手放すことが敗北ではなく愛情の一形態として描かれる。