ぐりとぐら
- 作者
- 中川李枝子、山脇百合子
- 発表
- 1963年
- 国
- 日本
- 媒体
- その他
野ねずみのぐりとぐらが、森で見つけた大きな卵でカステラを焼き、集まってきた動物たちと分け合う絵本。1963年に月刊絵本『こどものとも』の一冊として発表され、1967年に単行本化された。
二匹は体つきも顔も同じに描かれ、青い服のぐりと赤い服のぐらという着衣の色だけで区別される設計になっている。名前と役割を分けたうえで姿を共有させることで、二人組でありながら常に一体として画面に収まり、幼い読者も色を手がかりに追跡できる。道具や食材が体との比率を強調して描かれ、卵やフライパンが過大に見えることが、そのまま作業の大変さと出来上がりの喜びの表現になっている。文と絵を別の作り手が担いながら造形の規則が最後まで揺れない点も特徴といえる。
この作品が使っている物語の型
- 双子同じ日に生まれ、似た容姿を持ちながらも別々の人格を持つ双子の関係性。比べられることの多さと、互いにしか分からない結びつきの両方を併せ持つ。
- 料理手を動かし、材料を選び、味を確かめるという具体的な工程を持つモチーフ。台詞で語らせるより、料理の手順そのもので人物の心情や関係性を語れる。
- 人間と人ならざるもの妖・精霊・付喪神など、人ではない存在と人間との間に結ばれる関係性。種としての違いを都合よく消さず、異質さを保ったまま心を通わせられるかが書きどころになる。
- その人物の色ひとつの色をひとりの人物に結びつけ、色が現れるだけで気配を語らせるモチーフ。色を譲る・失う・他人が纏うことが、そのまま関係の変化になる。
- 族に共通する形同じ族に属する者が一箇所を必ず共有しているという設定。共通点を先に立てておくからこそ、そこから外れた個体の意味が際立つ。