西遊記
- 作者
- 呉承恩(伝)
- 発表
- 1592年
- 国
- 中国
- 媒体
- 小説
三蔵法師が孫悟空・猪八戒・沙悟浄を供に、経典を求めて天竺への旅を続ける長編。妖怪との対決を重ねる挿話の連なりと、罪を負った者たちが旅を通じて救われる枠組みを持つ、中国四大奇書の一つ。
現存する最古のまとまった刊本は1592年のもので、作者は呉承恩とする説が広く行われているが確定はしていない。天界で罪を犯した者たちが、聖者の旅の供という役割を通じて贖罪するという枠組みの中に、一話完結型の妖怪退治を無数に連ねる構成を持ち、長編連載的な物語作りの祖形といえる。孫悟空という自由と反骨の化身は東アジアの創作に巨大な影響を与え、日本の漫画・アニメにも翻案が絶えない。
この作品が使っている物語の型
- 師弟技術や価値観を教える側と教わる側という、対等ではないところから始まる関係性。上下関係がどう変化していくかが物語の推進力になる。
- 償い過去に誰かを傷つけた人物が、その埋め合わせのために行動するテーマ。許しを得ることをゴールにせず、償う行為そのものに意味を持たせられるかが鍵になる。
- 人間と人ならざるもの妖・精霊・付喪神など、人ではない存在と人間との間に結ばれる関係性。種としての違いを都合よく消さず、異質さを保ったまま心を通わせられるかが書きどころになる。