タッチ
- 作者
- あだち充
- 発表
- 1981–1986年
- 国
- 日本
- 媒体
- 漫画
双子の兄弟・達也と和也、幼なじみの南の三人の関係を軸に、弟の遺した約束を兄が引き受けて甲子園を目指す物語。野球漫画の形を借りながら、言葉にされない感情の機微を余白で描く方法を完成させた。
1981年から1986年にかけて連載された。物語の中盤で主要人物の死という決断を置き、残された者がその夢を代わりに生きるという主題へ転回する構成は、少年誌の連載として異例だった。台詞ではなく間とコマの余白で感情を伝える手法は「あだち充文体」と呼ばれる独自の域に達しており、スポーツ漫画と恋愛漫画の融合という形式とあわせて、青春ものの表現に長い影響を残している。アニメ版も国民的な人気を得た。
この作品が使っている物語の型
- 双子同じ日に生まれ、似た容姿を持ちながらも別々の人格を持つ双子の関係性。比べられることの多さと、互いにしか分からない結びつきの両方を併せ持つ。
- 沈黙の愛情言葉にしないまま示され続ける愛情を描くテーマ。台詞で説明せず、行動の積み重ねだけで伝わる愛情を描き切れるかどうかが書き手の技量を分ける。
- 誰かの代わりに生きる亡くなった、あるいは生きられなかった誰かの分まで生きているという意識を抱える人物を描くテーマ。自分の人生と他者の未完の人生が重なり合う重さが核になる。