ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ
- 作者
- ナガノ
- 発表
- 2020年
- 国
- 日本
- 媒体
- 漫画
小さな生きものたちの日常を短い形式で描きながら、その背後に討伐・資格試験・報酬という労働の仕組みと、擬態やキメラといった不穏な設定を並走させる作品。かわいい絵柄と厳しい世界観の落差そのものが読解の対象になっている。
2020年からSNSでの連載として始まり、単行本・アニメへと広がった。日常の断片を数コマで見せる形式をとりながら、同じ世界のなかに「討伐」という危険な労働、等級で報酬が変わる資格試験、正体の分からない鎧姿の存在といった要素が置かれている。説明の省略が徹底されており、読者は断片から世界の仕組みを組み立てることになる。かわいさと不穏さが同じ画面に同居する構造が、この作品を考察の対象にしている。
この作品が使っている物語の型
- 人間と人ならざるもの妖・精霊・付喪神など、人ではない存在と人間との間に結ばれる関係性。種としての違いを都合よく消さず、異質さを保ったまま心を通わせられるかが書きどころになる。
- 制作途中の作品完成しないまま残された絵や原稿、彫刻などが、作り手の心情や未完のまま終わった事情を語るモチーフ。完成させるかどうかの選択に、遺された側の意志が表れる。
- 孤独と連帯一人でいることを選んだ、あるいは選ばされた人物が、他者との緩やかなつながりを見つけていくテーマ。連帯を「恋愛」に矮小化しないことが、このテーマ特有の難しさであり魅力でもある。
同じ型を使う作品
- 900小説
竹取物語
作者未詳
- 1592小説
西遊記
呉承恩(伝)
- 1776その他
画図百鬼夜行
鳥山石燕
- 1776小説
雨月物語
上田秋成
- 1814小説
南総里見八犬伝
曲亭馬琴
- 1818小説
フランケンシュタイン
メアリー・シェリー
この作品に残された謎
まだ答えの出ていない謎を58件、考察で整理しています。 確定した事実はこのページ、推測はそちら、という分担です。
- 未解明
この世界に「悪」はあるのか
討伐対象は倒される側として描かれるが、悪と呼ばれることはない。善悪の枠組みそのものが作中に出てこない。
- 一部判明
傷や病はどう治るのか
討伐で負傷しても回復する。薬や手当ての描写はあるが、どこまで治せるのかという上限は示されない。
- 一部判明
ちいかわはなぜ言葉を話さないのか
主人公は言葉をほとんど発しない。同じ場にいる仲間は流暢に話す。話さないのか、話せないのかは区別されていない。
- 未解明
小さいことは不利なだけなのか
体格の小ささは討伐で不利に働く。一方で、小さいからこそできることが描かれる場面もある。
- 未解明
「でかつよ」はどこから来るのか
大きくて強い個体は憧れの対象として語られる。主人公たちがそこへ至れるのか、そもそも同じ道筋の先にいるのかは示されていない。
- 未解明
討伐の道具はどこから来るのか
討伐用の武具や防具、薬が売られている。誰が作っているのか、材料が何かは描かれていない。