パックマン
- 作者
- 岩谷徹(ナムコ)
- 発表
- 1980年
- 国
- 日本
- 媒体
- ゲーム
迷路の中の点を食べ進め、追ってくる四体のモンスターを避けるアーケードゲーム。1980年にナムコから発表され、対戦や射撃が中心だった当時の市場に、追いかけっこという枠組みを持ち込んだ。
主人公は円から扇形を切り欠いただけの図形で、口の開閉によって進行方向と食べるという行為を同時に示す設計になっている。敵の四体は輪郭が完全に同一で、色と目の向きだけで区別される。同じ形に違う追跡の癖を割り当てることで、遊ぶ側は形ではなく動き方から個体を覚えることになり、粗い画面でも四体を別々の人格として認識できる。表示能力の制約から出発した造形が、そのまま長く通用する記号として成立した例として挙げられる。
この作品が使っている物語の型
- 敵同士利害や立場が根本的に対立するところから始まる関係性。対立の理由が正当であるほど、後に生まれる協力や信頼の重みが増す。
- 影絵で見分ける顔が見えなくても輪郭だけで誰かが分かる、という約束を物語に持ち込むモチーフ。形が名前の代わりを務めるぶん、形が狂った瞬間に人物の同一性が揺らぐ。
- その人物の色ひとつの色をひとりの人物に結びつけ、色が現れるだけで気配を語らせるモチーフ。色を譲る・失う・他人が纏うことが、そのまま関係の変化になる。