大暴れ孫悟空
大鬧天宮
- 作者
- 万籟鳴
- 発表
- 1961–1964年
- 国
- 中国
- 媒体
- 映画
西遊記の前半、孫悟空が天界で暴れ回る挿話を長篇アニメーションにした作品。上海美術映画製廠の制作で、1961年に上篇、1964年に下篇が完成した。原題は大鬧天宮。
人物の顔は京劇の隈取を下敷きにして色と線で類型化されており、赤・金・黒の配分によって役柄と地位が判別できる設計になっている。孫悟空は逆三角形の顔と桃の形の額飾りで固定され、天界の官吏は冠の高さと衣の色で階層が示される。動きの面でも京劇の所作を参照し、見得を切る静止と大きな移動を交互に置く構成が取られている。伝統演劇の記号体系をそのままキャラクター設計の規格として持ち込んだ例であり、中国のアニメーションにおける造形の基準の一つとなった。
この作品が使っている物語の型
- 人間と人ならざるもの妖・精霊・付喪神など、人ではない存在と人間との間に結ばれる関係性。種としての違いを都合よく消さず、異質さを保ったまま心を通わせられるかが書きどころになる。
- 敵同士利害や立場が根本的に対立するところから始まる関係性。対立の理由が正当であるほど、後に生まれる協力や信頼の重みが増す。
- その人物の色ひとつの色をひとりの人物に結びつけ、色が現れるだけで気配を語らせるモチーフ。色を譲る・失う・他人が纏うことが、そのまま関係の変化になる。