千年女優
- 作者
- 今敏
- 発表
- 2002年
- 国
- 日本
- 媒体
- 映画
引退した大女優・藤原千代子の回想が、彼女の出演した映画の場面と混ざり合いながら、若き日に一度だけ会った鍵の君を追い続けた生涯を描くアニメ映画。虚実の混淆を編集の魔術で見せる今敏の代表作。
2001年に映画祭で初上映され、日本では2002年に一般公開された。インタビューに答える老女優の記憶が、戦国から幕末、明治、戦中、未来までの出演作の場面へ切れ目なく滑り込み、人生と演じた役が一本の追跡行として編み上がっていく。あの人を追いかけている私が好きなのだ、という結末の述懐は、恋の成就よりも追い続ける生の形そのものを肯定するもので、記憶と映画についての映画として国際的に高く評価されている。
この作品が使っている物語の型
- 一度だけ会った人名前や事情は知っているものの、生涯でただ一度しか顔を合わせなかった相手との関係。再会が叶わないまま記憶の中で育ち続ける存在を扱う。
- 鍵と扉内と外、過去と現在、許された者と許されない者を隔てる境界を象徴するモチーフ。鍵を「持つ者」と「渡す者」の関係性そのものがドラマになる。
- 記憶覚えていること・忘れること・思い出し方そのものを主題にするテーマ。記憶の欠落や改変を扱う場合、何が「真実」かを最後にどう定めるかが設計の核になる。