おくのほそ道
- 作者
- 松尾芭蕉
- 発表
- 1702年
- 国
- 日本
- 媒体
- その他
1689年に江戸を発ち、東北・北陸の歌枕を巡って大垣に至る約150日の旅を、俳句と散文で綴った紀行文。実際の旅を文学として再構成した紀行の最高峰で、没後の1702年に刊行された。
旅は1689年、成立は1694年頃、刊行は没後の1702年である。旅の事実をそのまま記録するのではなく、章段の配置や出来事の取捨に文学的な設計を施しており、事実と虚構のあわいに紀行文学の可能性を開いた。歌枕という先人の言葉の堆積を実地に訪ね、その土地で句を詠むという行為は、過去の文学と対話しながら旅をする形式であり、月日を永遠の旅人に喩える冒頭とともに、旅の文学の規範であり続けている。
この作品が使っている物語の型
- 過去を美化する苦しかったはずの過去や失われた関係を、時間の経過とともに美しい記憶として塗り替えてしまう心理を描くテーマ。記憶の不確かさを扱う。
- 記憶覚えていること・忘れること・思い出し方そのものを主題にするテーマ。記憶の欠落や改変を扱う場合、何が「真実」かを最後にどう定めるかが設計の核になる。