徒然草
- 作者
- 兼好法師
- 発表
- 1331年
- 国
- 日本
- 媒体
- その他
序段と243段からなる随筆集。人の心の機微、有職の知識、無常の思索、失敗譚まで、長短さまざまな断章を並べ、観察と批評の文学として後世に大きな影響を与えた。成立は1330年前後とされる。
成立年は確定していないが、1330年から1331年頃にまとめられたとする説が有力である。一つの主題で貫かず、思いつくままに書き継ぐ形式そのものを宣言した書き出しで知られ、雑多な断章の集積が全体として一人の人間の世界の見方を立ち上げる構成は、随筆というジャンルの範型となった。ものは完全であるより不完全な方が趣深いとする美意識など、後の日本の美学に直結する考え方が随所に記されている。
この作品が使っている物語の型
- 記憶覚えていること・忘れること・思い出し方そのものを主題にするテーマ。記憶の欠落や改変を扱う場合、何が「真実」かを最後にどう定めるかが設計の核になる。
- 老いと成熟時間の経過によって身体や立場が変化していく人物を通して、若さの喪失を悲劇としてではなく、別の強さの獲得として描くテーマ。
- 過去を美化する苦しかったはずの過去や失われた関係を、時間の経過とともに美しい記憶として塗り替えてしまう心理を描くテーマ。記憶の不確かさを扱う。