ライオンと魔女
The Lion, the Witch and the Wardrobe
- 作者
- C・S・ルイス
- 発表
- 1950年
- 国
- イギリス
- 媒体
- 小説
疎開先の屋敷の衣装箪笥を抜けてナルニア国へ迷い込んだ四兄妹が、白い魔女の永遠の冬を終わらせるため、偉大なライオン・アスランのもとで戦う物語。『ナルニア国物語』全7巻の最初の一冊。
1950年に刊行された。日常の家具の奥が異世界への入口になっているという着想は、遠い航海や魔法陣を必要としない越境の発明であり、子ども部屋と神話世界を直結させた。裏切り者の身代わりとしてアスランが自ら命を差し出し、より深い掟によって蘇る展開が物語の核で、犠牲と復活の神話を児童文学の言葉で語り直している。以後、扉の向こうの異世界という型は無数の物語に受け継がれた。
この作品が使っている物語の型
- 鍵と扉内と外、過去と現在、許された者と許されない者を隔てる境界を象徴するモチーフ。鍵を「持つ者」と「渡す者」の関係性そのものがドラマになる。
- 自己犠牲自分の利益や安全、時には命そのものを差し出して他者や大義を守ろうとする人物を描くテーマ。犠牲を美化しすぎず、遺された側の痛みまで描けるかが要になる。
- 人間と人ならざるもの妖・精霊・付喪神など、人ではない存在と人間との間に結ばれる関係性。種としての違いを都合よく消さず、異質さを保ったまま心を通わせられるかが書きどころになる。