グレート・ギャツビー
The Great Gatsby
- 作者
- F・スコット・フィッツジェラルド
- 発表
- 1925年
- 国
- アメリカ
- 媒体
- 小説
豪奢な邸宅で夜ごと宴を開く謎の富豪ギャツビーが、かつて手の届かなかった恋人デイジーを取り戻そうとする姿を、隣人ニックの目から描く長編。1920年代アメリカの繁栄と空虚を象徴する古典。
1925年刊行。過去の一点を理想化し、富のすべてをその再現に注ぎ込む主人公の造形は、「過去はやり直せる」と信じる人間の悲劇の原型となった。当事者でも傍観者でもある語り手ニックを置くことで、憧れと幻滅を同時に描く視点を確保している点が技法上の要で、信頼できる距離を持った一人称の語りの見本として引かれることが多い。出自を偽って階級を越えようとする人物の型としても、後世への影響が大きい。
この作品が使っている物語の型
- 過去を美化する苦しかったはずの過去や失われた関係を、時間の経過とともに美しい記憶として塗り替えてしまう心理を描くテーマ。記憶の不確かさを扱う。
- 身分違い立場・階級・世界の違う二者が惹かれ合うテーマ。障害が外側(周囲の反対)にあるか内側(本人の引け目)にあるかで、物語の温度が大きく変わる。
- 正体の秘密登場人物が自分の本当の姿・出自・過去を隠して生きているテーマ。読者にだけ明かすか、最後まで隠すかで、サスペンスの種類が変わる。