クリスマス・キャロル
A Christmas Carol
- 作者
- チャールズ・ディケンズ
- 発表
- 1843年
- 国
- イギリス
- 媒体
- 小説
守銭奴の老人スクルージがクリスマスの夜、過去・現在・未来の精霊に導かれて自分の人生を見せられ、一夜にして生き方を改める中編。改心の物語の原型として、あらゆる媒体で翻案され続けている。
1843年刊行。人生を過去・現在・未来の三つの時制で見せ直すという構成は、人物の変化を一夜に圧縮する装置として完成度が高く、「スクルージ」の名は英語圏で吝嗇家の代名詞になった。死者の訪問が生者を裁くのではなく救うために働くという幽霊譚の反転も特徴で、怪談と再生の物語を結びつけた。クリスマスを家族と慈善の祝祭とする近代的なイメージの形成にも、この作品が果たした役割は大きいとされる。
この作品が使っている物語の型
- 償い過去に誰かを傷つけた人物が、その埋め合わせのために行動するテーマ。許しを得ることをゴールにせず、償う行為そのものに意味を持たせられるかが鍵になる。
- 幽霊と生者すでに死んでいる者と、まだ生きている者との間で成立する、いずれ終わりが来ることが最初から決まっている関係性。別れの必然が、二人の時間の一つ一つに重みを与える。
- 過去を美化する苦しかったはずの過去や失われた関係を、時間の経過とともに美しい記憶として塗り替えてしまう心理を描くテーマ。記憶の不確かさを扱う。