すばらしい新世界
Brave New World
- 作者
- オルダス・ハクスリー
- 発表
- 1932年
- 国
- イギリス
- 媒体
- 小説
人間が瓶の中で製造され、階級ごとに条件づけられ、快楽剤ソーマで不満を消して生きる未来社会に、旧世界の価値観を持つ「野蛮人」ジョンが連れてこられる長編。快楽による管理を描いた反ユートピアの古典。
1932年に刊行された。恐怖と監視ではなく、快楽と安定の供給によって完成する支配を描いた点で、暴力的な全体主義を描く系譜と対をなす。全員が幸福であることの引き換えに、芸術も情熱も苦悩する自由も消えた世界に対し、不幸になる権利を要求するジョンの叫びが本作の思想的頂点である。娯楽と薬理による自発的な服従という洞察は、消費社会の進展とともにむしろ現実味を増し続けていると評される。
この作品が使っている物語の型
- 禁じられたもの掟や法、身分、道徳によって手を出すことを禁じられた対象に惹かれていく人物を描くテーマ。禁止の正当性を丁寧に描くほど、それを踏み越える重みが増す。
- 集団の中の孤独大勢に囲まれていながら誰にも本心を明かせない孤独を描くテーマ。物理的な独りではなく、心理的な隔たりに焦点を当てる。