ブラック・ジャック
- 作者
- 手塚治虫
- 発表
- 1973–1983年
- 国
- 日本
- 媒体
- 漫画
法外な報酬を要求する無免許の天才外科医ブラック・ジャックが、一話ごとに患者と向き合い、命の値段と医の倫理を問う医療漫画。手塚治虫後期の代表作で、医療ものというジャンルの水準を決めた連作。
1973年から1983年にかけて連載された。制度の外に立つ医師という設定により、保険も病院組織も介在しない一対一の関係として医療を描くことができ、命に値段をつける行為の意味を毎回むき出しの形で問い直す。高額の報酬を要求する非情さと、報酬の使い途に隠された倫理という二重底の人物造形は、アンチヒーロー型主人公の完成形の一つ。一話完結の連作で人物の過去を少しずつ開示していく構成も、後続への影響が大きい。
この作品が使っている物語の型
- 医師と患者治療という明確な目的のもとで結ばれる医師と患者の関係性。専門知識を持つ側と委ねる側という非対称な立場が、信頼関係の築き方に独特の緊張を生む。
- 薬と毒同じ知識・技術が人を救うことにも害することにも使えるという性質を持つモチーフ。調合する者の意図と結果のずれが緊張を生む。
- 正体の秘密登場人物が自分の本当の姿・出自・過去を隠して生きているテーマ。読者にだけ明かすか、最後まで隠すかで、サスペンスの種類が変わる。