MONSTER
- 作者
- 浦沢直樹
- 発表
- 1994–2001年
- 国
- 日本
- 媒体
- 漫画
ドイツで働く天才脳外科医テンマが、かつて命を救った少年ヨハンが怪物的な殺人者となったことを知り、自らの手で追う旅に出るサスペンス。冷戦後の欧州を舞台に、人は怪物になり得るかを問う長編。
1994年から2001年にかけて連載された。政治家より少年の命を選んだ医師の正しい決断が、最悪の帰結を生むという冒頭の逆説が全編を貫く問いであり、救った命に責任を持つとはどういうことかを、追跡行の形で描き続ける。実在の都市を丹念に描いた欧州の風景、章ごとに視点人物を替えて群像を積み上げる構成は、漫画によるミステリ長編の到達点とされ、名前と記憶をめぐる真相も含めて国際的な評価が高い。
この作品が使っている物語の型
- 医師と患者治療という明確な目的のもとで結ばれる医師と患者の関係性。専門知識を持つ側と委ねる側という非対称な立場が、信頼関係の築き方に独特の緊張を生む。
- 正義の代償正しいことをした結果、当人が何かを失っていくというテーマ。正義を貫くこと自体は否定せず、その正しさが誰かを傷つける構造を丁寧に描くと安易な勧善懲悪から抜け出せる。