世界観
世界観 ― 大地が動く大陸と、測量士という職
大地が年に数歩ずつ動く大陸。国境も道も井戸もずれるので、地図は毎年書き直され、測量士は国の要職になる。動く向きと速さは土地ごとに違い、誰も理由を知らない。魔法は無い。あるのは鎖と水準器と、六十年分の地図。
企画案の段階。連載にするなら、ここに書いた規則は動かさない。
大地が動く
- 大陸の地面は、年に数歩ずつ動く。場所によって向きも速さも違う(東の平野は北へ年に三歩、西の山地は南西へ年に一歩、など)
- 建物は土地ごと動くので、家が壊れるわけではない。ずれるのは土地と土地の境目。国境、道のつなぎ目、河の渡し場、井戸と畑の距離
- 十年で家一軒分、六十年で村一つ分ずれる。人の一生のうちに、生まれた家の隣が別の村になる
- 理由は誰も知らない。学者は「大地の下で何かが回っている」と言い、寺院は「大地が寝返りを打っている」と言う。この理由が、物語の一番奥の答え(伏線表に)
測量士(はかりて)
- 動く大地を測り、毎年地図を書き直す職。国の要職。国境を決めるのも、税を決めるのも、測量士の線
- 道具は測鎖(六十環の鉄の鎖)、水準器、方位盤、そして前年の地図。前年との差を測るのが仕事
- 見習いは師匠の鎖を持って十年歩く。自分の鎖を持てたら測量士。鎖の環は一つずつ師匠から受け継ぐ
- 王国の地図局が測量士を束ねる。地図局の地図が「正しい地図」で、それ以外は「私図」と呼ばれて効力を持たない
- 測量士の口癖: 「地図は嘘をつく」。書いた瞬間に古くなるから
国と土地
- エルダ王国。大陸の中央。地図局はここ
- 東の辺境ハルの谷。ノアの生まれた土地。年に三歩、北へ動く。谷の向こうは隣国で、国境がずれるたびに小競り合いが起きる
- 大陸の南に動かない岬があると言われている。誰も測ったことがない(第3部の目的地)
魔法・種族
- 魔法は無い。人間だけ。測ることと、歩くことと、書くことが全部
前世
- ノアの前世は現代日本の測量技師。六十で死んだ。生まれた町から出なかった
- 前世の知識: 三角測量、水準、誤差の扱い、地図の描き方。この世界では半分しか通じない(動く大地では、去年の基準点が今年は基準にならない)
- 前世を思い出す者は他にもいるかもしれない。ノアは知らない(第2部で一人出会う)