嵐が丘
Wuthering Heights
- 作者
- エミリー・ブロンテ
- 発表
- 1847年
- 国
- イギリス
- 媒体
- 小説
ヨークシャーの荒野の屋敷を舞台に、拾われ子ヒースクリフとキャサリンの激しい愛と、身分の壁が生んだ復讐が二世代にわたって展開する長編。著者唯一の長編小説にして、英文学屈指の問題作とされる。
1847年刊行。愛する者同士が身分と誇りのために結ばれず、その痛みが本人たちだけでなく次の世代まで巻き込む復讐に転化していく構成を持つ。物語を屋敷の使用人と間借り人という部外者の伝聞で語らせる入れ子の構造により、常軌を逸した情念を一定の距離から観察する形を作った点が技法上の特徴。荒野という土地そのものが人物の気質と分かちがたく結びついており、場所が物語を規定する作品の代表例でもある。
この作品が使っている物語の型
- 復讐受けた害への報いを求めて動く人物を描くテーマ。復讐そのものより、それを遂げた後(あるいは遂げられなかった後)に残るものを描くかどうかで作品の深さが決まる。
- 身分違い立場・階級・世界の違う二者が惹かれ合うテーマ。障害が外側(周囲の反対)にあるか内側(本人の引け目)にあるかで、物語の温度が大きく変わる。
- 土地に縛られる生まれ育った土地や家業のしがらみから離れられない、あるいは離れることに罪悪感を覚える心理を描くテーマ。自由と根の間の葛藤を扱う。