進撃の巨人
- 作者
- 諫山創
- 発表
- 2009–2021年
- 国
- 日本
- 媒体
- 漫画
人を喰う巨人から壁の内側に逃れて暮らす人類が、壁の崩壊をきっかけに世界の真実へと踏み込んでいくダークファンタジー。閉ざされた世界の謎を段階的に開示する構成と、善悪の反転を恐れない展開で国際的な現象となった。
日常が一日にして崩壊する冒頭から、視点が広がるたびに敵味方の意味が反転していく構成が最大の特徴で、読者の認識そのものを何度も更新させる。隠された歴史が明かされることで、復讐の物語が加害と被害の連鎖を問う物語へと変貌する展開は、謎解き型の連載構成の到達点のひとつといえる。正義の代償を誰が払うのかという問いを最後まで手放さなかった点で、二〇一〇年代のマンガを代表する作品として語られる。
この作品が使っている物語の型
- 日常が壊れる一日何の変哲もない一日の中に、それまでの日常を根底から変えてしまう出来事が紛れ込む主題。事件の大小よりも「その日から何かが違って見える」感覚を描く。
- 語られなかった歴史近しい相手にすら明かされなかった過去が、何かをきっかけに明らかになっていく主題。語らなかった理由そのものが人物像の核心に関わる。
- 復讐受けた害への報いを求めて動く人物を描くテーマ。復讐そのものより、それを遂げた後(あるいは遂げられなかった後)に残るものを描くかどうかで作品の深さが決まる。
- 正義の代償正しいことをした結果、当人が何かを失っていくというテーマ。正義を貫くこと自体は否定せず、その正しさが誰かを傷つける構造を丁寧に描くと安易な勧善懲悪から抜け出せる。