進撃の巨人
- 作者
- 諫山創
- 発表
- 2009–2021年
- 国
- 日本
- 媒体
- 漫画
人を喰う巨人から壁の内側に逃れて暮らす人類が、壁の崩壊をきっかけに世界の真実へと踏み込んでいくダークファンタジー。閉ざされた世界の謎を段階的に開示する構成と、善悪の反転を恐れない展開で国際的な現象となった。
日常が一日にして崩壊する冒頭から、視点が広がるたびに敵味方の意味が反転していく構成が最大の特徴で、読者の認識そのものを何度も更新させる。隠された歴史が明かされることで、復讐の物語が加害と被害の連鎖を問う物語へと変貌する展開は、謎解き型の連載構成の到達点のひとつといえる。正義の代償を誰が払うのかという問いを最後まで手放さなかった点で、二〇一〇年代のマンガを代表する作品として語られる。
この作品が使っている物語の型
- 日常が壊れる一日何の変哲もない一日の中に、それまでの日常を根底から変えてしまう出来事が紛れ込む主題。事件の大小よりも「その日から何かが違って見える」感覚を描く。
- 語られなかった歴史近しい相手にすら明かされなかった過去が、何かをきっかけに明らかになっていく主題。語らなかった理由そのものが人物像の核心に関わる。
- 復讐受けた害への報いを求めて動く人物を描くテーマ。復讐そのものより、それを遂げた後(あるいは遂げられなかった後)に残るものを描くかどうかで作品の深さが決まる。
- 正義の代償正しいことをした結果、当人が何かを失っていくというテーマ。正義を貫くこと自体は否定せず、その正しさが誰かを傷つける構造を丁寧に描くと安易な勧善懲悪から抜け出せる。
同じ型を使う作品
- 1212その他
方丈記
鴨長明
- 1865小説
不思議の国のアリス
ルイス・キャロル
- 1865小説
戦争と平和
レフ・トルストイ
- 1902その他
ピーターラビットのおはなし
ビアトリクス・ポター
- 1915小説
変身
フランツ・カフカ
- 1915小説
羅生門
芥川龍之介
この作品に残された謎
まだ答えの出ていない謎を14件、考察で整理しています。 確定した事実はこのページ、推測はそちら、という分担です。
- 一部判明
アッカーマン一族の力はどこから来たのか
常人を超える戦闘力を発揮し、王の記憶改変も効かない一族。力の性質は作中で繰り返し描かれる一方、その由来については作中人物が一度語ったきりで、地の文による裏づけがない。
- 一部判明
「進撃の巨人」という題名は何を指しているのか
作品の題名でありながら、その語が作中で何を指すのかは長く示されなかった。九つの巨人の一つの名であることが後に判明したが、題名としての意味はそこに収まらない。
- 決着済み
地下室には何があったのか
主人公の父が遺した、故郷の家の地下室。そこに世界の真実があると告げられ、そこへ辿り着くことが長く物語の目標になっていた。
- 未解明
エレンはどこまで自分の意思で動いていたのか
未来の記憶を見る力を持ち、その未来を実現するように行動した主人公。彼が未来を選んだのか、未来に従わされたのかという問いに、作品は明確な答えを置いていない。
- 一部判明
グリシャはなぜ息子に力を託したのか
主人公の父は、記憶を奪い、力を継がせ、真実を地下室に隠した。その一連の判断がどこまで彼自身の意思だったのかに、解釈の余地が残されている。
- 未解明
ヒストリアの子の父親は誰か
物語の重要な局面で妊娠が明かされた女王。その相手が誰なのかは、作中で最後まで明示されなかった。