二十四の瞳
- 作者
- 壺井栄
- 発表
- 1952年
- 国
- 日本
- 媒体
- 小説
瀬戸内の岬の分教場に赴任した大石先生と12人の教え子たちの、昭和初年から敗戦後までの歳月を描く長編。戦争が師弟の上に何をもたらしたかを、涙と怒りを抑えた筆で綴り、国民的な反戦文学となった。
1952年に発表された。教師と教え子という関係の歳月を追うことで、戦争の時代を軍人でも指導者でもない、島の子どもたちの人生の変転として描く。貧しさによる退学、出征、戦死、失明という一人ひとりの運命が、幼い日の集合写真という小さな品に集約される終盤の再会の場面は、日本の物語における再会の場面の最も知られた一つである。翌々年の映画化とともに、戦後日本の記憶の一部になった。
この作品が使っている物語の型
- 教師と元教え子かつての師弟関係が、教え子の成長によって対等に近づいていく関係性。教える立場と教わる立場という上下が崩れた後の距離の取り直し方が焦点になる。
- 日常が壊れる一日何の変哲もない一日の中に、それまでの日常を根底から変えてしまう出来事が紛れ込む主題。事件の大小よりも「その日から何かが違って見える」感覚を描く。
- 再会ものかつて縁のあった二人が、時を経て再び顔を合わせるところから始まるプロット型。別れていた期間に何が変わり、何が変わらなかったかの配分が物語の説得力を決める。