方丈記
- 作者
- 鴨長明
- 発表
- 1212年
- 国
- 日本
- 媒体
- その他
大火・辻風・遷都・飢饉・地震という五つの災厄の記録と、世を捨てて山中の方丈の庵に暮らす日々の記述からなる随筆。無常観を簡潔な和漢混淆文で結晶させ、日本の随筆文学の古典として読み継がれる。
1212年に成立した。前半は都を襲った災害の具体的な記録、後半は一丈四方の庵での簡素な暮らしの描写という二部構成を持ち、崩れゆく世と最小限の住まいを対置することで、住むことと生きることの意味を問う。災害文学の最初期の達成であると同時に、持たない暮らしの記述としても現代的に読み直されており、流れる川の水に世の移ろいを重ねる冒頭は日本語散文の最も有名な書き出しの一つである。
この作品が使っている物語の型
- 山小屋外部から隔絶され、限られた人数だけが身を寄せる舞台。悪天候や積雪という自然の力が、逃げ場のない状況に説得力を与える。
- 日常が壊れる一日何の変哲もない一日の中に、それまでの日常を根底から変えてしまう出来事が紛れ込む主題。事件の大小よりも「その日から何かが違って見える」感覚を描く。