レ・ミゼラブル
Les Misérables
- 作者
- ヴィクトル・ユゴー
- 発表
- 1862年
- 国
- フランス
- 媒体
- 小説
一片のパンを盗んで長い徒刑を科されたジャン・ヴァルジャンが、出所後に別人として生き直し、孤児コゼットを育てながら執拗な追跡者と対峙していく長編。19世紀フランス社会の全体を描き込んだ大河小説の代表作。
1862年に刊行された。一人の男の贖罪の生涯を軸に、貧困・司法・革命といった社会の諸相を組み込み、個人の物語と時代の記録とを一体化させる大河小説の型を完成させた。法を体現する追跡者と、恩恵によって生き方を変えた元罪人という対の造形は、正義と慈悲の緊張を人物配置そのものに刻んでいる。刊行直後から国際的に読まれ、舞台や映像への翻案の多さも含めて、物語が社会に共有されていく過程の例としてしばしば言及される。
この作品が使っている物語の型
- 償い過去に誰かを傷つけた人物が、その埋め合わせのために行動するテーマ。許しを得ることをゴールにせず、償う行為そのものに意味を持たせられるかが鍵になる。
- 正義の代償正しいことをした結果、当人が何かを失っていくというテーマ。正義を貫くこと自体は否定せず、その正しさが誰かを傷つける構造を丁寧に描くと安易な勧善懲悪から抜け出せる。
- 引き取った子事情があって家族に引き取られた子と、迎え入れた家族全体との関係。一対一の保護関係ではなく、既存の家族の中への統合という広がりを扱う。