異邦人
L'Étranger
- 作者
- アルベール・カミュ
- 発表
- 1942年
- 国
- フランス
- 媒体
- 小説
母の死に涙を流さなかった青年ムルソーが、太陽のまぶしさゆえと語る理由でアラブ人を射殺し、裁判では殺人よりもその冷淡さを裁かれていく中編。不条理の哲学を乾いた文体で結晶させた20世紀文学の古典。
1942年に刊行された。感情の慣習に従わない男が、行為ではなく在り方によって社会から死刑を宣告されるという構図を通じ、世界の無意味さとそれでも生を肯定する態度という不条理の思想を物語の形で提示した。過去形の淡々とした短文を重ねる文体は内面の説明を拒み、読者自身に判断を強いる。裁判が人間を物語に当てはめる装置として描かれる後半は、司法と世間の視線を扱う後代の物語の重要な参照点である。
この作品が使っている物語の型
- 断罪の場多くの目がある席で、罪や不正が明かされる舞台。裁定、査問、公開の集まりなど形は様々だが、説明台詞の羅列に陥りやすく、場を動かす手続きと視線の配置を設計しておく必要がある。
- 集団の中の孤独大勢に囲まれていながら誰にも本心を明かせない孤独を描くテーマ。物理的な独りではなく、心理的な隔たりに焦点を当てる。