カラマーゾフの兄弟
Братья Карамазовы
- 作者
- フョードル・ドストエフスキー
- 発表
- 1879–1880年
- 国
- ロシア
- 媒体
- 小説
強欲な父フョードルの殺害をめぐり、情熱の長男、無神論の次男、修道僧の三男というカラマーゾフ家の兄弟たちの運命が交錯する長編。信仰と自由をめぐる思想小説と犯罪小説を融合した世界文学の最高峰。
1879年から1880年にかけて連載された、作者最後の長編である。父殺しという事件の周囲に、神が存在しなければすべてが許されるのかという問いを配置し、登場人物それぞれに異なる答えを生きさせる多声的な構成を持つ。大審問官の挿話に代表される思想的頂点と、誤審に至る裁判の顛末という筋の面白さが同居しており、推理小説・法廷劇・宗教文学の源流を一身に兼ねる。後世の作家への影響は計り知れない。
この作品が使っている物語の型
- 兄弟姉妹生まれた時から比較され続ける、あるいは互いをよく知りすぎているという特有の距離感を持つ関係性。血のつながりゆえに断ち切れない結びつきが物語の軸になる。
- 信仰と疑い信じてきたもの――神、教え、あるいは人――への信頼が揺らぎ、それでも何を拠り所にして生きるかを問い直す人物を描くテーマ。
- 断罪の場多くの目がある席で、罪や不正が明かされる舞台。裁定、査問、公開の集まりなど形は様々だが、説明台詞の羅列に陥りやすく、場を動かす手続きと視線の配置を設計しておく必要がある。