銀河英雄伝説
- 作者
- 田中芳樹
- 発表
- 1982–1987年
- 国
- 日本
- 媒体
- 小説
銀河帝国の天才ラインハルトと自由惑星同盟の名将ヤン・ウェンリーという二人の主人公を軸に、専制と民主主義の優劣を戦史の形で問うスペースオペラ。本伝10巻で完結し、アニメ化でも長く支持される。
本伝は1982年から1987年にかけて刊行された。敵対する両陣営それぞれに理想と欠陥を配分し、どちらか一方を正義としない構えを最後まで保つ点が最大の特徴で、優れた専制と腐敗した民主主義のどちらを選ぶかという問いを読者に残す。後世の歴史家が記述する体裁を取ることで、登場人物の死や敗北をあらかじめ歴史の一部として相対化する語りも独特であり、対等な好敵手を描く物語の代表例として参照され続けている。
この作品が使っている物語の型
- ライバル同じ分野・同じ舞台で競い合う対等な関係性。敵ではなく、認め合っているからこそ負けたくないという感情が、独特の緊張と敬意を生む。
- 正義の代償正しいことをした結果、当人が何かを失っていくというテーマ。正義を貫くこと自体は否定せず、その正しさが誰かを傷つける構造を丁寧に描くと安易な勧善懲悪から抜け出せる。
- 世代の継承技術・仕事・価値観・因縁が親から子へ、師から弟子へと渡っていく過程を描くテーマ。継承がそのまま受け継がれるか、形を変えて受け継がれるかが主題の分かれ目になる。