車輪の下
Unterm Rad
- 作者
- ヘルマン・ヘッセ
- 発表
- 1906年
- 国
- ドイツ
- 媒体
- 小説
神学校の難関試験に合格した秀才少年ハンスが、詰め込み教育と周囲の期待に押し潰され、学校を去り故郷でも居場所を失っていく長編。教育制度が子どもを轢いていく様を描き、日本でも長く読み継がれてきた。
1906年に刊行された。作者自身の神学校脱走の経験を下敷きに、才能ある子どもを潰すのが悪意ではなく、善意の期待と制度の惰性であることを克明に描く。詰め込み教育への批判として読まれる一方、釣りや自然の描写に象徴される少年期の感受性の記録としても美しく、破滅の物語でありながら青春文学として愛されてきた。期待という圧力を扱う物語の古典として、受験社会の日本で特に読者が多い作品である。
この作品が使っている物語の型
- 期待に応える重荷周囲からの期待に応え続けることが、いつの間にか本人の意志を置き去りにしていく重さを描くテーマ。応えることをやめた瞬間に何が起きるかが焦点になる。
- 逃げるという選択困難や責任から逃げることを、単なる弱さではなく一つの主体的な選択として描き直すテーマ。逃げた先で何を得るかに焦点を当てる。