ホビットの冒険
The Hobbit
- 作者
- J・R・R・トールキン
- 発表
- 1937年
- 国
- イギリス
- 媒体
- 小説
平穏を愛するホビットのビルボが、魔法使いガンダルフと13人のドワーフに連れ出され、竜に奪われた故郷の宝を取り戻す旅に加わる物語。『指輪物語』へ連なる中つ国の物語の入口となった児童文学。
1937年に刊行された。冒険に不向きな小さな存在が、望まぬまま旅に出て、知恵と幸運と少しの勇気で大きな役割を果たすという構図は、等身大の主人公による英雄譚という型を確立した。作者自筆の地図とルーン文字が添えられた本作は、地図から始まる物語の原点でもある。闇の中でゴラムと謎かけを交わして指輪を得る挿話は、のちに神話的大作へ発展する種子となり、ファンタジー史の転換点に位置づけられる。
この作品が使っている物語の型
- 地図目的地や隠された場所へ向かう道筋を示すモチーフ。地図の不完全さや古さが、旅の困難と手がかりの解釈という二重の面白さを生む。
- 成長と代償人物が何かを得るために別の何かを手放さざるを得ないという交換の構造を扱うテーマ。強く賢くなる過程で失われたものの重さを描けるかが鍵になる。
- 日常が壊れる一日何の変哲もない一日の中に、それまでの日常を根底から変えてしまう出来事が紛れ込む主題。事件の大小よりも「その日から何かが違って見える」感覚を描く。