ロードス島戦記
- 作者
- 水野良
- 発表
- 1988年
- 国
- 日本
- 媒体
- 小説
呪われた島ロードスを舞台に、若き騎士パーンと仲間たちが灰色の魔女の陰謀と戦乱に立ち向かうファンタジー小説。卓上RPGのリプレイから生まれた成り立ちを持ち、日本のファンタジー小説の礎となった。
小説第1巻は1988年に刊行された。テーブルトークRPGの実況記事を母体とするという特異な出自を持ち、エルフやドワーフを含む冒険者の一団という編成、種族と地図に基づく世界設計を日本の読者に定着させた。とりわけハイエルフのディードリットの造形は、日本におけるエルフ像の原型となった。ゲーム的な世界の約束事を小説の文法へ翻訳したこの作品の成功が、後のライトノベル・ファンタジーの土壌を作ったといえる。
この作品が使っている物語の型
- アイデンティティの探求自分が何者であるかを、出自や役割ではなく自分自身の選択によって定義し直そうとする人物を描くテーマ。答えを外から与えず、迷う過程そのものを中心に据える。
- 成長と代償人物が何かを得るために別の何かを手放さざるを得ないという交換の構造を扱うテーマ。強く賢くなる過程で失われたものの重さを描けるかが鍵になる。
- 地図目的地や隠された場所へ向かう道筋を示すモチーフ。地図の不完全さや古さが、旅の困難と手がかりの解釈という二重の面白さを生む。