MOTHER2 ギーグの逆襲
- 作者
- 糸井重里
- 発表
- 1994年
- 国
- 日本
- 媒体
- ゲーム
現代アメリカ風の町に住む少年ネスが、宇宙人ギーグの企みを止めるため仲間と旅するロールプレイングゲーム。剣と魔法ではなくバットと超能力、日常の言葉で紡がれる会話で、RPGの物語の幅を広げた。
1994年発売。ファンタジーの定型から離れ、ハンバーガーで回復し電話で父に貯金を頼むといった現代の生活感覚をRPGの文法に持ち込んだ。コピーライターである作者の手による、話しかけた住人一人ひとりの台詞の可笑しさと寂しさが本作の核であり、ゲームのテキストが文学的な署名性を持ち得ることを示した。終盤、戦う手段が尽きた先に「祈る」ことが残される展開は、ゲーム機構と物語を一致させた名場面として語り継がれる。
この作品が使っている物語の型
- 成長と代償人物が何かを得るために別の何かを手放さざるを得ないという交換の構造を扱うテーマ。強く賢くなる過程で失われたものの重さを描けるかが鍵になる。
- 日常が壊れる一日何の変哲もない一日の中に、それまでの日常を根底から変えてしまう出来事が紛れ込む主題。事件の大小よりも「その日から何かが違って見える」感覚を描く。
- 見知らぬ親切利害のない赤の他人から差し出された、名も告げない小さな親切が人物の人生に長く残り続ける様を描くテーマ。返しようのない恩をどう受け止めるかが核になる。