うさこちゃん
nijntje
- 作者
- ディック・ブルーナ
- 発表
- 1955年
- 国
- オランダ
- 媒体
- その他
うさぎの女の子うさこちゃんを主人公とする絵本シリーズ。太い黒の輪郭線、限られた色数、正方形の判型という枠組みを定めて描き続けられ、日本では石井桃子の訳で広く読まれている。ミッフィーの名でも知られる。
顔は主に正面で描かれ、目は二つの点、口は×印ひとつという最小限の要素で構成されている。表情をほとんど動かさない代わりに、顔の向きと体の傾きで感情を示す設計になっており、読み手が自分の気分を重ねる余地が残される。輪郭線は筆で引いた太い黒線で、内側は原色を中心とした少ない色数で塗り分けられる。要素を削り切った造形は印刷や商品化の過程でも情報が失われにくく、絵本の登場人物が長期にわたって同一の姿を保つための条件を備えている。
この作品が使っている物語の型
- 人間と人ならざるもの妖・精霊・付喪神など、人ではない存在と人間との間に結ばれる関係性。種としての違いを都合よく消さず、異質さを保ったまま心を通わせられるかが書きどころになる。
- マスコットという形式一体で完結し、記号として覚えられることを前提に置かれた登場人物の形式。造形が単純であるほど、その一点が崩れたときに異変の合図として強く働く。
- 表情の型その人物が見せる顔を数種類に絞っておくモチーフ。持ち札が限られているからこそ、どれでもない顔がたった一度現れたときに場面が決まる。