影との戦い ゲド戦記
A Wizard of Earthsea
- 作者
- アーシュラ・K・ル=グウィン
- 発表
- 1968年
- 国
- アメリカ
- 媒体
- 小説
魔法の才に恵まれた少年ゲドが、慢心から放ってしまった影に追われ、やがて自ら影を追う者となって世界の果てで対峙する物語。真の名を知ることが力の源となる魔法体系で、ファンタジーに内面の深さを与えた。
1968年に刊行された。すべての存在は真の名を持ち、名を知ることが支配につながるという言語魔法の体系は、魔法に倫理と代償の構造を与えた発明として、後のファンタジーの魔法観を一変させた。敵が外部の魔王ではなく、自分が生み出した影であり、勝利が討伐ではなく影に自分の名を与えて受け入れることだという結末は、成長物語の到達点の一つであり、ジャンルの外の文学からも高く評価され続けている。
この作品が使っている物語の型
- 名前を失う本名や立場を捨て、別の呼び名で生きることを選ぶ、あるいは強いられる過程を描くテーマ。名前と自己同一性の結びつきを扱う。
- アイデンティティの探求自分が何者であるかを、出自や役割ではなく自分自身の選択によって定義し直そうとする人物を描くテーマ。答えを外から与えず、迷う過程そのものを中心に据える。
- 師弟技術や価値観を教える側と教わる側という、対等ではないところから始まる関係性。上下関係がどう変化していくかが物語の推進力になる。