鉄腕アトム
- 作者
- 手塚治虫
- 発表
- 1952–1968年
- 国
- 日本
- 媒体
- 漫画
科学省長官が事故で失った息子の代わりに造ったロボットの少年アトムが、人間とロボットの間で揺れながら悪や差別と向き合う。戦後日本のストーリーマンガとロボットSFの原点的存在であり、後のマンガ・アニメに巨大な影響を与えた。
人間そっくりの心を持つロボットという設定を通して、「人間とは何か」「造られた存在は誰のために生きるのか」を子ども向けの物語で正面から扱った先駆的作品。息子の身代わりとして造られながら捨てられるという出自が、アトムの善意と孤独に影を落とす。科学技術への希望と不安を同時に描く姿勢は、以後の日本SFマンガの基本的な型となり、テレビアニメ化を通じて日本の連続アニメ産業の出発点にもなった。
この作品が使っている物語の型
- 人間と人ならざるもの妖・精霊・付喪神など、人ではない存在と人間との間に結ばれる関係性。種としての違いを都合よく消さず、異質さを保ったまま心を通わせられるかが書きどころになる。
- 交代要員誰かの後任・代わりとして配置された側と、交代された側との間に生じる複雑な関係。比較され続ける立場ゆえの緊張と敬意が同居する。
- アイデンティティの探求自分が何者であるかを、出自や役割ではなく自分自身の選択によって定義し直そうとする人物を描くテーマ。答えを外から与えず、迷う過程そのものを中心に据える。