火垂るの墓
- 作者
- 高畑勲
- 発表
- 1988年
- 国
- 日本
- 媒体
- 映画
神戸空襲で母を失った14歳の清太と4歳の節子の兄妹が、親戚の家を出て防空壕で二人きりの生活を営み、飢えの中で妹を失うまでを描くアニメ映画。野坂昭如の同名小説を原作とする戦争映画の金字塔。
1988年に公開された。原作は野坂昭如が1967年に発表した短編小説である。冒頭で主人公の死が示され、物語全体が死者の回想として進む構成は、悲劇の結末を知りながら見守るしかない位置に観客を置く。ドロップ缶や蚊帳の中の蛍といった細部の生活描写の積み重ねが、戦争の惨禍を統計ではなく一人の幼女の飢えとして体験させる。アニメーションが担い得る主題の深さを世界に示した作品であり、反戦映画の古典として国際的に参照され続けている。
この作品が使っている物語の型
- 兄弟姉妹生まれた時から比較され続ける、あるいは互いをよく知りすぎているという特有の距離感を持つ関係性。血のつながりゆえに断ち切れない結びつきが物語の軸になる。
- 日常が壊れる一日何の変哲もない一日の中に、それまでの日常を根底から変えてしまう出来事が紛れ込む主題。事件の大小よりも「その日から何かが違って見える」感覚を描く。