限りなく透明に近いブルー
- 作者
- 村上龍
- 発表
- 1976年
- 国
- 日本
- 媒体
- 小説
米軍基地の街・福生を舞台に、薬物と乱交の日々を送る若者たちの生態を、匂いと色彩の即物的な描写で綴った中編。デビュー作にして芥川賞を受け、その是非をめぐって社会的な論争を巻き起こした。
1976年に発表された。退廃の日々を道徳的な批評抜きで、感覚の記録として差し出す文体が最大の特徴で、内面の告白を軸にしてきた日本の青春文学に、身体と風景の即物描写という新しい言語を持ち込んだ。破滅にも再生にも振り切らないまま、明け方の光の中で黒い鳥の幻影と対峙する結末は、出口のなさそのものの造形として鮮烈である。戦後生まれの世代の感性の登場を告げた作品と位置づけられている。
この作品が使っている物語の型
- 集団の中の孤独大勢に囲まれていながら誰にも本心を明かせない孤独を描くテーマ。物理的な独りではなく、心理的な隔たりに焦点を当てる。
- 逃げるという選択困難や責任から逃げることを、単なる弱さではなく一つの主体的な選択として描き直すテーマ。逃げた先で何を得るかに焦点を当てる。