ライ麦畑でつかまえて
The Catcher in the Rye
- 作者
- J・D・サリンジャー
- 発表
- 1951年
- 国
- アメリカ
- 媒体
- 小説
名門校を退学になった16歳のホールデンが、家に帰るまでの数日間ニューヨークをさまよい、大人の世界の欺瞞への嫌悪と妹への愛情の間で揺れる長編。若者の口語による語りで青春文学を一変させた。
1951年に刊行された。インチキという言葉で大人の世界を裁ち続ける少年の一人称は、俗語と脱線だらけの話し言葉をそのまま文学の文体に高めたもので、以後の青春小説の語りの標準を作った。誰にも本心を言えないまま街を漂う数日間という構成は、反抗ではなく傷つきやすさの物語であることを示しており、崖から落ちる子どもたちを受け止める者になりたいという表題の由来の告白に、その核心が集約されている。
この作品が使っている物語の型
- 集団の中の孤独大勢に囲まれていながら誰にも本心を明かせない孤独を描くテーマ。物理的な独りではなく、心理的な隔たりに焦点を当てる。
- 逃げるという選択困難や責任から逃げることを、単なる弱さではなく一つの主体的な選択として描き直すテーマ。逃げた先で何を得るかに焦点を当てる。
- 成長と代償人物が何かを得るために別の何かを手放さざるを得ないという交換の構造を扱うテーマ。強く賢くなる過程で失われたものの重さを描けるかが鍵になる。