ベルサイユのばら
- 作者
- 池田理代子
- 発表
- 1972–1973年
- 国
- 日本
- 媒体
- 漫画
フランス革命前夜のベルサイユを舞台に、男装の麗人として育てられた近衛士官オスカルと王妃マリー・アントワネットの運命を描く歴史ロマン。史実と創作人物を交錯させ、少女マンガに本格的な歴史大河の型を持ち込んだ記念碑的作品。
歴史上の人物と架空の人物を対等に配し、個人の恋愛と革命という大状況を重ね合わせる構成は、少女マンガの表現領域を大きく押し広げた。身分違いの恋、長年そばに仕える者の秘めた想い、時代に殉じる生き方といった主題が、華麗な画面と共に織り込まれる。宝塚歌劇による舞台化をはじめメディアを横断して受容され、少女マンガが社会的な文化現象となり得ることを示した作品でもある。
この作品が使っている物語の型
- 身分違い立場・階級・世界の違う二者が惹かれ合うテーマ。障害が外側(周囲の反対)にあるか内側(本人の引け目)にあるかで、物語の温度が大きく変わる。
- 沈黙の愛情言葉にしないまま示され続ける愛情を描くテーマ。台詞で説明せず、行動の積み重ねだけで伝わる愛情を描き切れるかどうかが書き手の技量を分ける。
- 自己犠牲自分の利益や安全、時には命そのものを差し出して他者や大義を守ろうとする人物を描くテーマ。犠牲を美化しすぎず、遺された側の痛みまで描けるかが要になる。