かいじゅうたちのいるところ
Where the Wild Things Are
- 作者
- モーリス・センダック
- 発表
- 1963年
- 国
- アメリカ
- 媒体
- その他
悪さをして寝室に閉じ込められた少年マックスが、部屋に生えた森を抜けてかいじゅうたちの島へ渡り、王として迎えられる絵本。短い本文と、頁を追うごとに拡大していく絵の構成で知られる。
かいじゅうは既存の神話や伝承の怪物を借りず、鳥の脚、雄牛の角、人間の足、鱗といった実在の生き物の部位を組み替えて作られている。角・牙・鉤爪という威嚇の記号を持たせながら、目を丸く大きく取り、動作を鈍重にすることで、恐ろしさと親しみを同一の造形の中に共存させる設計になっている。文字を消して三見開き続く踊りの場面では絵だけで時間が進み、造形そのものに物語を担わせる構成が取られている。
この作品が使っている物語の型
- 人間と人ならざるもの妖・精霊・付喪神など、人ではない存在と人間との間に結ばれる関係性。種としての違いを都合よく消さず、異質さを保ったまま心を通わせられるかが書きどころになる。
- 日常が壊れる一日何の変哲もない一日の中に、それまでの日常を根底から変えてしまう出来事が紛れ込む主題。事件の大小よりも「その日から何かが違って見える」感覚を描く。
- 居場所を作る元々存在した場所に馴染むのではなく、自分の手で新しい居場所を築き上げていく過程を描くテーマ。孤立していた人物同士が場そのものを作り出す点に焦点がある。
- 大きさの対比並んだときの大きさの違いを見せ場にするモチーフ。抱えられる、見上げる、追いつくといった動作が、そのまま力関係と時間の経過を語る。