ヴァイオレット・エヴァーガーデン
- 作者
- 石立太一
- 発表
- 2018年
- 国
- 日本
- 媒体
- アニメ
戦争で道具のように生きてきた少女ヴァイオレットが、手紙の代筆業を通じて依頼人たちの想いに触れ、自分が最後に受け取った言葉の意味を探していくテレビアニメ。京都アニメーションの映像美と一話ごとの書簡劇で高い評価を得た。
感情を知らない者が他人の感情を言葉にする代筆人になるという設定の逆説が、物語全体の骨格をなしている。一話ごとに異なる依頼人の人生を手紙という形式で切り取る書簡劇の連なりが、主人公自身の喪失と再生の縦筋を少しずつ進める構成は、オムニバスと成長譚の結合として完成度が高い。言葉が届くまでの時間差という手紙固有の主題を映像で描いた点で、文芸的な題材とテレビアニメの融合例として参照される。
この作品が使っている物語の型
- 手紙書かれた言葉が時間差で届くという性質を持つモチーフ。会って話せば済むことをあえて手紙にする理由を作れると、単なる小道具を超えた重みが出る。
- 代筆を頼まれる手紙やスピーチ、文章の代筆を頼まれたことから始まるプロット型。他人の言葉を借りて書くという行為が、依頼人の内面に踏み込む契機になる。
- 喪失と再生何かを失った人物が、その欠落を抱えたまま新しい生き方を見つけ直すまでを描くテーマ。喪失を「治す」のではなく「連れて歩けるようになる」過程に重心を置くと物語が浅くならない。