火の鳥
- 作者
- 手塚治虫
- 発表
- 1954年
- 国
- 日本
- 媒体
- 漫画
その生き血を飲めば不死になるという伝説の鳥・火の鳥をめぐり、古代から未来までの各時代を舞台に、生と死、輪廻を描き続けた連作。手塚治虫がライフワークとして生涯にわたり描き継ぎ、未完のまま残されたマンガ史上屈指の大作。
各編が独立した時代と主人公を持ちながら、火の鳥という存在と生命観のテーマで全体が貫かれる構成は、連作長編という形式の可能性を大きく広げた。不死を求める人間の業と、死があるからこそ生が意味を持つという視点が、古代編と未来編を往復する時間構造の中で繰り返し変奏される。娯楽マンガが哲学的主題を担えることを示した点で、後続の作家たちにとって重要な参照点であり続けている。
この作品が使っている物語の型
- 生まれ変わり・輪廻前世の記憶や結びつきが今世に影響を及ぼすというテーマ。前世の因縁をなぞるだけの再演にせず、今世で新たに選び直す意志を描けるかが分かれ目になる。
- 喪失と再生何かを失った人物が、その欠落を抱えたまま新しい生き方を見つけ直すまでを描くテーマ。喪失を「治す」のではなく「連れて歩けるようになる」過程に重心を置くと物語が浅くならない。