蜘蛛の糸

作者
芥川龍之介
発表
1918年
日本
媒体
小説

地獄に落ちた盗人が、生前唯一の善行を理由に極楽から垂らされた一本の糸を登るが、独り占めしようとした瞬間に糸は切れる。児童向け雑誌に発表された短編ながら、利己心の寓話として世代を超えて読み継がれる。

1918年、児童文芸誌の創刊号に発表された。救いの機会がたった一度の小さな善行から生まれ、たった一言の利己心で失われるという対称的な構造を持ち、因果応報の型を最小の部品で組み上げている。視点が極楽の釈迦から地獄の犍陀多へ移り、また戻る三部構成も整っており、短編の設計見本として国語教育でも長く扱われてきた。与えられた好機を自らの利己心で壊す人物という造形は、後の物語にも繰り返し現れる。

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