吸血鬼ドラキュラ
Dracula
- 作者
- ブラム・ストーカー
- 発表
- 1897年
- 国
- アイルランド
- 媒体
- 小説
トランシルヴァニアの古城に住む伯爵がロンドンへ渡り、若い弁護士や医師たちが犠牲者を出しながら追い詰めていく長編。日記や手紙の集積で語られる書簡体の構成を持ち、吸血鬼像の事実上の標準を作った。
1897年刊行。物語全体が登場人物たちの日記・手紙・電報・新聞記事の寄せ集めとして構成され、誰も全体像を知らない断片の集積から読者だけが真相へ近づいていく設計になっている。吸血鬼という民間伝承の存在に、招かれなければ入れない、日光や聖具に弱いといった規則の体系を与え、以後の創作における吸血鬼の約束事をほぼ決定した。近代技術で古い怪異に対抗する構図も、後のホラーの基本形となった。
この作品が使っている物語の型
- 人間と人ならざるもの妖・精霊・付喪神など、人ではない存在と人間との間に結ばれる関係性。種としての違いを都合よく消さず、異質さを保ったまま心を通わせられるかが書きどころになる。
- 手紙書かれた言葉が時間差で届くという性質を持つモチーフ。会って話せば済むことをあえて手紙にする理由を作れると、単なる小道具を超えた重みが出る。
- 時間との闘い残された時間が限られている状況で、成すべきことを成そうとする人物を描くテーマ。時限の理由が具体的であるほど、一分一秒の重みが読者に伝わる。