チェブラーシカ
Крокодил Гена
- 作者
- ロマン・カチャーノフ
- 発表
- 1969年
- 国
- ソビエト連邦
- 媒体
- 映画
オレンジの箱に紛れて南の国から運ばれてきた正体不明の生き物チェブラーシカと、動物園で働くワニのゲーナの出会いを描く人形アニメーション。エドゥアルド・ウスペンスキーの児童書を原作とする。
主人公は既存のどの動物にも当てはまらない生き物として設定され、作中でも分類の付かない存在として扱われる。造形は頭部と同じ幅の丸い耳、小熊のような胴、短い四肢という三要素に絞られ、正面のシルエットだけで成立するよう作られている。分類できないという設定は、居場所も職も持たない主人公の境遇と直結しており、造形上の特徴がそのまま物語の主題を担う構成になっている。人形の表面に毛足の短い布地を用い、輪郭を柔らかく保つ処理も、この設計を補強している。
この作品が使っている物語の型
- 人間と人ならざるもの妖・精霊・付喪神など、人ではない存在と人間との間に結ばれる関係性。種としての違いを都合よく消さず、異質さを保ったまま心を通わせられるかが書きどころになる。
- 居場所を作る元々存在した場所に馴染むのではなく、自分の手で新しい居場所を築き上げていく過程を描くテーマ。孤立していた人物同士が場そのものを作り出す点に焦点がある。
- 見知らぬ親切利害のない赤の他人から差し出された、名も告げない小さな親切が人物の人生に長く残り続ける様を描くテーマ。返しようのない恩をどう受け止めるかが核になる。
- 生き物の名づけ人ではないものに名を与える行為を扱うモチーフ。名づけた時点で責任が生まれ、どの名で呼ぶかがそのまま相手との距離を示す。
- マスコットという形式一体で完結し、記号として覚えられることを前提に置かれた登場人物の形式。造形が単純であるほど、その一点が崩れたときに異変の合図として強く働く。