一部判明人物初出: 単行本 エルバフ編(十四年前の事件として言及)

ハラルド王を殺したのは誰か

十四年前、エルバフの王が城の中で死んだ。国では息子ロキの犯行として語られてきたが、後に描かれた回想はそれとは異なる経緯を示している。

本文の内容に触れています。未読の方はご注意ください。内容は2026年8月時点のものです。連載中の作品です。ここでの「未解明」は2026年8月時点のものであり、その後の展開で答えが出ている場合があります。最新話の内容には踏み込まず、単行本収録分までを扱う方針です。

このページの「作中で確定していること」と各仮説の根拠は、に原作と照合しています。

作中で確定していること

ここに書かれているのは推測ではなく、作品内で明示された事柄です。 仮説はすべてこの前提の上に立ちます。

競合する仮説(4件)

以下はいずれも読者による推測であり、作品が認めた答えではありません。 根拠と同じだけ反証も併記しています。

  1. 動機は伝説の悪魔の実にあったとする説

    否定済み

    王家に伝わる伝説の実を狙った息子が、それ欲しさに父を手にかけたとする見方。

    根拠

    • エルバフ国内では十四年にわたり、この筋書きが事実として通用してきた。

    反証・弱点

    • 回想では、王が自分の戦士たちに刃を突き立てられる場面が示されており、息子の私欲という筋書きでは当日の光景が説明できない。
    • この動機では、その場にいたヤルルが後に真相を語る側へ回った理由も説明できない。
  2. 契約に縛られた王が自ら死を選んだとする説

    有力

    王は政府側との契約によって身体の自由を失いつつあり、国が利用される前に自分を止めるよう求めたとする見方。

    根拠

    • 回想は、王が自らの死を受け入れる形で構成されている。
    • 政府側の要求が、巨人族を戦力として差し出す方向にあったことが示唆されている。

    反証・弱点

    • 回想の細部は語り手を経由した情報であり、王の内心そのものが確定したわけではない。
  3. 戦士たちが外部から操られていたとする説

    根強い

    王を刺した戦士たちは自分の意思で動いておらず、政府側の力によって動かされていたとする見方。

    根拠

    • 本来仕えるべき立場の戦士たちが、集団で王を刺すという不自然な形になっている。
    • 作中には、人の意思や身体を外から縛る力が複数の形で描かれている。

    反証・弱点

    • 誰が何を用いて戦士たちを動かしたのかについては、回想の中で段階的に示されている途中であり、全体像はまだ定まっていない。
  4. 王は最初から世界政府側の人間だったとする説

    少数

    改革も外交も政府への従属の過程であり、死は用済みになった駒の処分だったとする見方。

    根拠

    • 彼が政府側と契約を結んでいたこと自体は回想で示されている。

    反証・弱点

    • 国の在り方を戦いから交易へ変えた実績は、単なる従属では説明しにくい。
    • 従属していたなら、政府側が彼を殺す必要が生じた理由を別に立てなければならない。

この謎の要点は、犯人の名前ではなく十四年間なぜ誤った話が通用し続けたのかにある。エルバフには事件の場に居合わせた者が複数いた。それでも国中がロキを犯人と信じ続けたということは、真相を知る側が語らなかったということである。語らなかった理由は、語れば国が危うくなるという判断以外に想定しにくい。

もう一段深いところにあるのは、王が何と引き換えに何を得ようとしたのかという問題である。作中では、彼が世界の外側に置かれた国を世界の内側に入れようとした人物として描かれている。その努力の帰結が契約であり、契約の帰結が身体の自由の喪失だったとすれば、この事件は個人の悲劇ではなく、外側に立つ国が内側に入ろうとしたときに何が起きるかの見本になる。

区別しておくべきは、回想で描かれたのは「事件当日の光景」であって、事件の全体像ではないという点である。しかもこの回想は現在も連載の中で継ぎ足されている最中で、当日その場で誰が何をしたのかという最も基本的な部分すら、まだ動いている。本項は照合時点の描写を前提にしており、以後の話数で構図が変わる可能性がある。

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