3月のライオン
- 作者
- 羽海野チカ
- 発表
- 2007年
- 国
- 日本
- 媒体
- 漫画
家族を事故で失い、内弟子として育った17歳のプロ棋士・桐山零が、下町の川本家三姉妹との交流の中で孤独から回復していく物語。将棋界の勝負の厳しさと、食卓の温かさを往復しながら描く群像劇。
2007年に連載が始まった。勝負の世界の孤独と、他人の家の食卓の温かさという二つの磁場の間に主人公を置き、居場所は血縁ではなく選び取る関係の中に生まれることを、ゆっくりと積み上げていく。将棋の対局を心理の風景として描く表現、いじめや老いといった重い主題を逃げずに扱う筆致、棋士たちそれぞれの将棋との関わり方の描き分けなど、静かな題材で深い物語を作る方法の見本となっている。
この作品が使っている物語の型
- 居場所を作る元々存在した場所に馴染むのではなく、自分の手で新しい居場所を築き上げていく過程を描くテーマ。孤立していた人物同士が場そのものを作り出す点に焦点がある。
- 家族の再定義血縁や戸籍だけでは説明できない結びつきを、家族と呼んでよいのかを問い直すテーマ。既存の家族観からこぼれ落ちる関係に名前を与える試みを描く。
- ライバル同じ分野・同じ舞台で競い合う対等な関係性。敵ではなく、認め合っているからこそ負けたくないという感情が、独特の緊張と敬意を生む。