ポーの一族
- 作者
- 萩尾望都
- 発表
- 1972–1976年
- 国
- 日本
- 媒体
- 漫画
永遠に少年のまま時を生きるバンパネラ(吸血鬼)のエドガーとアランが、数百年にわたり人の世を漂う連作。時系列を再構成する叙述と繊細な心理描写で、少女漫画の表現を文学の水準へ引き上げた金字塔。
1972年から1976年にかけて連載された(2016年に40年ぶりの続編が発表されている)。不老の存在を若さの理想としてではなく、成長できないことの寂しさとして描いた点が決定的に新しく、出会いと別れだけを重ねて時代を渡る二人の姿は、時間をテーマにした漫画表現の頂点とされる。エピソードを時系列順に並べず、断片の再構成で全体像を浮かび上がらせる方法は、漫画における文学的な叙述の先駆けとなった。
この作品が使っている物語の型
- 人間と人ならざるもの妖・精霊・付喪神など、人ではない存在と人間との間に結ばれる関係性。種としての違いを都合よく消さず、異質さを保ったまま心を通わせられるかが書きどころになる。
- 老いと成熟時間の経過によって身体や立場が変化していく人物を通して、若さの喪失を悲劇としてではなく、別の強さの獲得として描くテーマ。
- 集団の中の孤独大勢に囲まれていながら誰にも本心を明かせない孤独を描くテーマ。物理的な独りではなく、心理的な隔たりに焦点を当てる。